『民主党のせいではありません:毎日新聞』 2005年3月30日(水)

タイトルを「ときどき、おかしなことを言う毎日新聞」にしようかと思いまし たが、それだと、どのおかしなことか、次に毎日新聞のおかしなものを書いた とき、区別がつかなくなりますから、上のようにしてみました。

下の枠内は、毎日新聞の社説です。

「05年度政府予算が23日、成立した。戦後4番目の早期成立。しかも、審 議の中身はため息をつきたくなるほど低調だった。マニフェスト選挙と2大政 党化という新たな時代を迎え、むしろ国会はないがしろにされている。これは 深刻な事態である。」

審議の中身は、ほんとに低調でしたか?
私の見たテレビ中継された審議では、民主党は、まともな質問をしてましたよ。
記憶にあるものでは、参議院で、 鈴木寛議員(民主党) が、「予算を、コンクリートから人づくりへ、子ども第一主義に転換」「子育 て、教育期間中の世帯への支援こそ政治の使命」と主張し、予算の組み替えを 訴えたのは、見ごたえがありました。その一部がこちら(↓)で読めます。
http://www.dpj.or.jp/news/200503/20050310_03suzuki.html

「欠席戦術で、いたずらに予算審議を遅らせ、都合のいい法案だけは成立させた5 5年体制下の旧社会党の方がましだったと言うのではない。」

でも、戦後4番目の早期成立が問題というんですから、イラク特措法のときのよう に、議員が委員長席に詰め寄り、力ずくの採決が行なわれなかったのが、物足り ないというんでしょう?

「政治とカネの問題もしかり。今国会冒頭の最大課題だった自民党旧橋本派のヤ ミ献金事件に関しても、公判で次々と新たな疑惑が出ているにもかかわらず、関 係者の証人喚問は行われなかった。」

それは、証人喚問に、自民党が反対したからでしょう。
国会の運営上、自民党が賛成しなければ、証人喚問は行なえませんよ。
予算を人質に、政治資金問題を審議すればよかったんでしょうか?
政治資金の問題は、これからでも、審議できるでしょう?
ただし、自民党にやるきがあれば、の話ですが。

「次の総選挙に向けたマニフェスト作りも大切だが、まず現下の国会で与党の欠点 を鋭く突いていかないと、国民の間に政権交代の機運も生まれない。」

つうか、成立した予算で、日本がよくなれば、自民党(与党として公明党も入り ますが)が正しかった。この予算で、うまくいかなければ、野党が正しかった。 そうなるでしょう。

「郵政民営化と並んで今後の焦点となる年金をめぐる与野党協議にも懸念が残る。」

毎日新聞は、どういう懸念を持ってるんでしょう?
小泉総理は、年金については、「与野党で一緒に決めましょう」といいますが、
郵政民営化は、どうですか? 野党の意見なんか聞きもしない。同じ自民党の
中にも反対意見があるくらいですよ。それでも、郵政民営化を実行しようとする。 だったら、年金一元化も、野党抜きでやったらどうですか?
なぜ、年金改革は、自民だけでやらないんでしょう?

それは、年金改革が、国民の負担を伴うものになることがわかってるからでしょう。 自民だけが、国民に負担を押し付けることになると、選挙に負けるから、「与野党一緒に」 「みんなで泥を被ろう」と言ってるんでしょう。
それが、政権を担当する与党の態度でしょうか?

このまま自民党に政権を任せておいたのでは、年金改革も、ほんとうの構造改 革も、行なわれないまま手遅れになってしまうのではないか。
新聞社が指摘しなければならないのは、そこですよ。

「早急に新時代に即した国会のあり方を考える時だ。野党は国会で争点を絞り込 み、それを次の選挙につなげて有権者に分かりやすく与党との違いを提示する− −。期待されているのは、そんな姿のはずだ。」

予算は、与党が時間をかけて作成したものです。
役所は、夏から予算編成作業に入り、骨格を決め、原案をつくり、大臣折衝など を経て、国会に提出されます。
野党が、どう反対しても、それは、与党の賛成で可決されますよ。
昔からそうです。

マスコミは、大乱闘のようなサーカスを国会に期待するのではなく、この予算 のどこが問題か、指摘すればいい。それを、野党にばかり押し付けないで、自 ら、予算の問題点をあげればいい。毎日新聞さん、どこが問題ですか?
それは、野党の指摘と同じでしょう?
でも、予算は、与党が成立させる。
そういうことですよ。

予算を変えるには、政権交代しかないんです。
「「国会空洞化」を招いた責任は野党第1党・民主党にもあろう。」
などと野党を責めるマスコミを脱却し、そのことを国民に伝えるマスコミに、 早く、なってほしいものです。


社説:予算成立 政策論争の低調さ野党に責任

 05年度政府予算が23日、成立した。戦後4番目の早期成立。しかも、審議 の中身はため息をつきたくなるほど低調だった。マニフェスト選挙と2大政党化 という新たな時代を迎え、むしろ国会はないがしろにされている。これは深刻な 事態である。

 予算審議など眼中にないかのように、まだ国会に提出されてもいない郵政民営 化法案に関心を注ぐ小泉純一郎首相と自民党の対応には大いに問題がある。だ が、「国会空洞化」を招いた責任は野党第1党・民主党にもあろう。

 欠席戦術で、いたずらに予算審議を遅らせ、都合のいい法案だけは成立させた 55年体制下の旧社会党の方がましだったと言うのではない。しかし、民主党は 「政策論争を挑む」と言いながら、今度の予算が本当に財政再建につながるのか どうか、民主党自らの考え方を提示しながら理詰めで追及するような場面はほと んどなかった。「どうせ数でかなわない」との声が聞こえ、最初から投げている 印象さえあった。

 政治とカネの問題もしかり。今国会冒頭の最大課題だった自民党旧橋本派のヤ ミ献金事件に関しても、公判で次々と新たな疑惑が出ているにもかかわらず、関 係者の証人喚問は行われなかった。自民党が民主党の資金問題を持ち出すと追及 の矛先は鈍った。

 緊張感が著しく欠けた結果、衆院予算委では、欠席者が続出し、定足数に足り なくなって審議が中断、与党があわてて委員をかき集める一幕があったほどだ。

 「民主党は政権準備政党」と岡田克也代表は言う。だが、「政権を取った時に どうするか」ばかりを考え、政府・与党を厳しくチェックする野党本来の役割を 忘れていないか。次の総選挙に向けたマニフェスト作りも大切だが、まず現下の 国会で与党の欠点を鋭く突いていかないと、国民の間に政権交代の機運も生まれ ない。

 郵政民営化と並んで今後の焦点となる年金をめぐる与野党協議にも懸念が残る。

 自民党を相手に実際に具体案がまとまるのか。単に争点ぼかしに利用されるだ けではないか。逆に安易な妥協に終わる心配もある。さらに消費税率引き上げま で与野党で合意したら、次の選挙で一体、何を争点にするのか。これでは戦前の 大政翼賛会のようになってしまわないか……。民主党内にも不満が残るのは当然 だろう。

 具体的に政策を提示し、有権者に支持されれば、政権党はそれを着実に実行す るというのがマニフェスト選挙だ。このため、選挙が重視され、公約した政策の 遂行が優先されるあまり、与党が野党の言い分に耳を傾けず、議会が空洞化しが ちだとの指摘はマニフェスト先進国の英国にもあるという。

 日本の現状は「それ以前の問題」と言うべきだろう。だが、早急に新時代に即 した国会のあり方を考える時だ。野党は国会で争点を絞り込み、それを次の選挙 につなげて有権者に分かりやすく与党との違いを提示する−−。期待されている のは、そんな姿のはずだ。毎日新聞 2005年3月24日



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