コラムの内容には、架空の話も含まれます。
くれぐれも、ご注意ください。



『第三回ダルフール賢人会議』 2006年3月17日(金)

NGOの取材に、こちら「ピース・ウィンズ・ジャパン」に行ってきま した。

パンフレットを見せられて、だいたいの説明を受けたあと、
「まぁ、話していても何ですから、具体的にわれわれの仕事を見てく ださい」といわれ、会議室に案内されました。

「ここでは、現在、アフリカのダルフールと回線を結んでテレビ会議 を行っています。“ダルフール賢人会議”です。」

『ダルフール?』『賢人会議?』と、そういう知識のなかった私は、
「なるほど、そうですか。ちょっと見ていていいですか」
としばらく観察させてもらいました。
すべて会話は英語でしたが、案内してくれた人が、大体の訳をつけ てくれました。テレビ画面には、アフリカの人が数人映っていて、ダ ルフールの部族長とのことでした。

「いや、参った! 一体いつまで続くんだろう、、、。
皆殺しになるまで続くのか?! 家も追われ、水も食料もない、、、」
と部族長の一人が言った。
「国連は、何をしてるんだ?! 早くなんとかしてほしい!」
別の部族長が言う。
「国連? あんなもの、何の役にも立たんよ!
自分たちでなんとかするしかない」と、もう一人の部族長。
「どうすればいいんだ?」「何ができる?」と部族長は、いっせいに声 を上げたが、答えがあるわけでもなく、沈黙が続いた。

「そうだ!」一人の部族長が叫んだ。
「石油の油田があればいい!」
「石油?」「油田?」「そんなもの、どこにある?」
「いやいや、なくてもいいんだ。油田があると思わせればいい」
「誰に?」「ブッシュだ」「アメリカのブッシュ大統領のことか?」
「そうだ。
イラクを自由の国にすると言ってたが、そんなこと誰が信じる?
石油だ。石油の利権が欲しいからに決まってる」
「それはそうだ」「そうだ、そうだ」「それで?」
「ダルフールに油田があるとなれば、アメリカ軍が来てくれる!
そうすれば、われわれを助けてくれる。」

そのとき、この会議室にいた人物が、口を開いた。
「あの〜、もしもし。こっちです。テレビ画面を見てください。
そうです、日本の大西ですが、、、。
それは、ちょっと無理ですよ。
いくらブッシュ大統領でも、ありもしない大量破壊兵器が、ある・あ ると言ってイラク戦争を始めましたが、さすがに、ダルフールに油田 がないことは、すぐわかるでしょう、、、」
「そうか、ダメか、、、」
再び沈黙。

この会議室にいるのは、大西健丞氏でした。
部族長の一人がまた、口を開いた。
「サダム・フセインを誘拐するのは、どうだろう?」
「イラクのフセインか? 誘拐して、どうなる?」
「アメリカは、フセインの裁判を終わらせたいはずだ。それに、フセイ ンを支持していたグループが再結集すると困るだろう。
それが、ダルフールに潜伏している。武装勢力に保護されてるとなれ ば、アメリカ軍がやってくるだろう」
「そうか。それはいい」「いい案だ」

大西健丞氏が発言する。
「あの〜、部族長のみなさん。こっちです、テレビ画面の大西です。
あのですねぇ〜、合法的なことでないと、NGOとしては、資金面も含め て支援はできませんよ、、、」
「誘拐は、ダメなのか?」「合法的?」
「そうです、法律に違反することは、NGOはできませんよ」

部族長の一人が叫んだ。
「だったら、日本が“合法的に”ダルフールを助けてくれよ!」
「それはできません、、、」と大西健丞氏。
「なぜなんだ?」
「日本は、海外に軍隊を派遣できないんです」
「でも、イラクにいるじゃないか!?」
「あそこでは、基地の中で、水をつくってるだけですから。
ダルフールに行っても、何の役にも立ちませんよ、、、」

「はぁ〜、、、」
テレビ画面の中の部族長たちは、全員、ため息をついていた。
「はぁ〜、、、」
ここの会議室でも、大西健丞氏がため息をついた。


「UNHCR ニュース速報
チャド・スーダン国境より難民を移送」
http://www.unhcr.or.jp/news/news_archives/060313.html
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「ダルフール人道危機、チャドにも拡大 米紙報道」

 28日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、スーダン西部ダルフー ル地方のアラブ系民兵が隣国チャドに越境し、抵抗する住民を無差別 に殺害、少なくとも2万人のチャド人が家を追われ、国内避難民化し ていると報じた。

 ダルフールでは、アラブ系イスラム教徒主導の政府の支援を受けた 民兵が黒人住民虐殺を繰り返し「世界最大の人道危機」と呼ばれてい る。同紙はこうした状況が隣国チャドにも飛び火し「危機が深刻化し ている」と警告した。

 ダルフールには7000人規模のアフリカ連合(AU)部隊が展開 しているが、資金難のため近く国連に任務を引き継ぐ見通し。国連は 1万―2万人規模の新たな大型平和維持活動(PKO)部隊派遣計画 の策定に入っている。

 同紙によると、民兵の越境でチャドとスーダンの関係が緊張。チャ ド東部では、数十万人の地元住民やスーダンから逃げ込んできた約2 0万人の難民が身動きが取れなくなっているという。
(共同)(02/28 16:54)
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