コラムの内容には、架空の話も含まれます。
くれぐれも、ご注意ください。



『中川昭一農水相のポスト小泉戦略』 2005年11月4日(金)

小泉内閣のシャッフルで、経済産業相から、農水相に横滑りした、中 川昭一先生。
農水省の大臣室には、まだ、お祝いの花束や祝電が、片付けきれてい ない状態だった。
農水省の上級スタッフが、大臣室に集まっていた。
型どおりの農水大臣の「がんばりたまえ」風のあいさつがあるものと、 みな、思っていた。

中川農水相は、長テーブルに置かれた花や電報を、ズズズッ〜と片隅に 寄せると、幹部を座らせて、仕事の申し送りの説明を受けた。
しかし、途中で、さえぎった。

「ちょっと待ってくれ。牛肉は、輸入するのか?」
「はい、大臣。学者の答申が出まして、20ヶ月以内の牛を、危険な部位 を完全に除くのなら、大丈夫ということで。許可することになりました」
「危険なところを除くだけでいいのなら、日本の牛も、そうすればいい んじゃないのかね?」
「あっ、それが、大臣、、、いろいろ経緯がございまして、、、」
「知ってるよ、武部だろ?」
「そうでございます、大臣」
「まったくなぁ〜、あのオヤジが、何か発言するたびに国民の信頼がな くなってしまった。だから、全頭検査しなきゃならなくなった。だよ な?」
「その通りでございます、大臣」

「それで、日本の国民は、アメリカ牛を検査しなくて輸入することを納得 してるのかね?」
「納得しているのかどうか、、、。
まぁ、とにかく、前大臣が輸入すると決定したことですので、、、。
アメリカは、国内の畜産業者の利益がかかわってますので、早く輸入を再 開するように、何度も、強い要求を突きつけてきましたので、、、」
「島村さんかぁ〜。なら、仕方ないか。」
「では、次に、農業補助金の、、、」
「待ってくれ」
また、中川農水相がさえぎった。

「待ってくれよ。
アメリカからの要求を押し付けられて、それで、安全も確かめてないもの を輸入することを決めたなどといわれたら、まずい!」
「はぁ〜、、、ですが、大臣、、、」
「いや、待て。よし、これでいこう。
アメリカ側の交渉担当者は、誰だ?」
「ええ〜と、キミ、誰だったかね?」と、官房長は、局長に聞いた。
「ええ〜と」局長は、課長に聞いた。
課長は、課長補佐に電話をしようとしたところを、中川大臣が止めた。

「いいよ。向こうは、農務省だろ?」「はい」
「農務長官は、誰だ?」「長官は、ジョハンズ氏ですが、、、」
「ジョハンズ? マイクか! じゃ、すぐ電話してくれ」
「えっ、大臣。ジョハンズ農務長官を、ご存知なんですか?」
「もちろんだよ。私を誰だと思ってるんだ、中川だよ。中川家だよ。
ジョハンズが、オシメをしていたころ。それは大げさだが、ニキビ面のこ ろから知ってるよ」

官房長が電話を持ってやってきた。
「大臣。農務長官です」
「もしもし、中川です。ええ、そう。どうもありがとう。
それでだ、USビーフの輸入再開問題だけど。
そちらから、30ヶ月以下の牛を輸入するよう、要求を変えてもらえんかね?
うん、30ヶ月。
いや、断るよ。
そこだよ、長官。
20ヶ月の牛を輸入しろと迫られて、すぐさま、それを認めていたのでは、 私の評判にかかわる。弱腰の大臣などと思われては、私の将来にかかわる。
ここは、要求を強めて、30ヶ月まで輸入しろと迫ってもらって、、、。
うん、そうなんだ。
その要求を、断固として断る。
そうだよ、マイク。そういうことなんだ。
わが国の大臣は、30ヶ月の牛の要求を毅然として、断ってくれたと評判が 上がると。
はい、じゃ、そういうことで。よろしく頼むよ、ひとつ」

中川大臣は、電話を切った。
「大臣、どうでした?」
「うん。バッチリだ。
プレスには、アメリカが不当にも、要求を強めてきた、と発表してくれ。
後は、筋書き通りだ」

中川農水相は、ポスト小泉を狙って、着々と歩み始めたようです。


「牛肉輸出:月齢制限30カ月以下を日本に要求 米農務長官」

 ジョハンズ米農務長官は2日、牛海綿状脳症(BSE)の検査なし で対日輸出が可能になる対象が生後20カ月以下の牛肉に限られるこ とについて、月齢制限を国際基準とされる30カ月以下に引き上げる よう日本に求める方針を表明した。

 日本は年内にも、脳など特定危険部位の除去を前提に、BSEの危 険性が低いとされる20カ月以下に限り米国産牛肉の輸入を再開する 見通し。日本による輸入再開後、米政府は輸出量確保のため制限緩和 を求め圧力を強める見通しだ。

 月齢制限のため、米国の畜産業界は「輸出量が2003年12月の 禁輸措置前の水準へ回復することは困難」と懸念を強めている。ジョ ハンズ長官は「国際基準へ向けて日本と協議を続けることが非常に重 要だ」と述べた。

 下院農業委員会のグッドラッテ委員長(共和党)も同日、同様の認 識を示し、議会として後押しする考えを強調した。

 また、ポートマン通商代表は「年末までに日本が牛肉市場を開放す るよう強く期待している」と語った。いずれも農業委での公聴会終了 後、記者団の質問に答えた。(ワシントン共同)
毎日新聞 2005年11月3日
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「条件緩和する状況でない 牛肉輸入で農相」

 中川昭一農相は4日の閣議後の記者会見で、米国側が牛肉の対日輸 出の条件を「生後30カ月以下」に緩和するよう日本に求める方針を 表明したことについて「正式な要請はないが、仮に受けたとしても、 分かりましたとか検討しますと言える状況にはない」と述べた。

 日本は米国産牛肉の輸入条件として、牛海綿状脳症(BSE)を引 き起こす異常プリオンが蓄積しやすい、特定危険部位を除去した生後 20カ月以下の牛肉としている。米国とカナダ産牛肉の安全性評価を 審議している食品安全委員会の正式な答申を待って、政府は年内にも 輸入再開に踏み切る見通しだ。
(共同通信) - 11月4日12時40分更新



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