コラムの内容には、架空の話も含まれます。
くれぐれも、ご注意ください。



『中川農水相の背骨対策』 2006年1月24日(火)

先週末、衝撃的なニュースが突然、ほんとに何の前触れもなく、突如 飛び込んできました。
アメリカから輸入再開したばかりのUSビーフに、危険部位として除去 しなければならないものが混入されているのが発見されたというので す。

この事態に、週末を返上し、農水省、厚労省など関係各省は、大慌て で対策を取りましたが、中川農水相に、アメリカのマイク・ジョハンズ 農務長官から電話が入ったのは、週が明けて、23日の夜のことでした。

「もしもし、マイク。一体、どうなってるんだよ、そっちは!?
せっかく輸入再開して、牛丼が食べられると思ったのに、、、」
「ショウイチ、いや、すまない。
でも、ニューヨークの一つの施設からの牛肉に背骨が入っていたからっ て、アメリカからの輸入を全部止めるとは、大げさじゃないかね?」
「私も、そう言ったんだけどね、うちのPMがねぇ、、、」
「そうか、ジュンイチの命令なら仕方ないか」
「そうなんだ、あの人は、“鳴かぬなら殺してしまえ”と言ってる織田 信長のような人だから。もうちょっと気をつけてもらわないと、困るよ、 まったく。こういう対策を施してるから、絶対安全だからといって、輸 入再開したんだから、ちゃんと約束を守ってもらわないとねぇ〜」
「そうだけど、“絶対”なんて、ないよ、、、」
「それじゃ、日本の消費者は納得しないよ。、絶対安全じゃなきゃね。 日本の消費者は、神経質だから」
「みたいだねぇ〜、アメリカ人は、そういうの平気で食べてるよ。」
「キミも食べてるのかい、マイク?」
「いや、私は、食べてないけど」

「ショウイチ、それで、どうしたら、再開してくれるかね?」
「すぐには、無理だな、マイク。
とりあえず、なんで、背骨が入ってたのか、原因を調べないと」
「そっちに、ゼーリックを送ったけど、、、。
説明しなかったかね?」
ゼーリック国務副長官ね。昨日、会ったよ」
「うまく説明できなかったのか?」

中川農水相は、ため息をついて、間を取った。
「マイク、キミらアメリカ人が、どれだけずさんかというのが、よーく わかったよ、、、」
「どういうことだよ、ショウイチ?」
「ゼーリック副長官だよ、、、」
「何だよ、ロバートがどうかしたのかい?」
「ロバートの持って来た書類がね、、、。
キミが、ニューヨークの検査官に送った部外秘のメモなんだよ」
「まさか、ショウイチ?! そんなわけないよ。ウソだろ?」
「キミは、ニューヨークの検査官に、こう言ってる。
“私が、検査を甘くして、通していいと言ったのは、月齢20ヶ月以内の 牛かどうかのことだ。それなら、20ヶ月でも、25ヶ月でも、30ヶ月でも、 日本側で、いくら調べても、気がつかない。それなのに、背骨を取った かどうかを甘くして、通してしまって、どうする気だ!? 全く信じら れない過ちだ。全責任は、キミにある。覚悟しておくように”
記憶があるだろ? キミのメモだろ、マイク?」
「なんで、キミが知ってるんだ、ショウイチ?」

「フッフッフ。だから言ったろう、ロバートが持って来た書類の中に、 これがあったんだよ。」
「えっ?! いやぁ〜、、、なんというか、、、その〜、、、」
「マイク、日本に絶対見せてはならないメモを、こうして、日本人に 渡してしまう。キミらアメリカ人の管理というのは、そんなものなん だよ。」
「いや、申し訳ない」
「そんな人たちに、20ヶ月を見分けるとか、ちゃんと危険部位を取り 除くとか、できるはずがない!」

しばらくの沈黙のあと、ジョハンズ農務長官は、言った。
「でも、そのアメリカ人の管理を絶対安全だと判断して輸入再開を決 めたのは、君たちじゃないのかね、ショウイチ?」
「いや、マイク。正確には、信長だよ!」


米検査官ルール知らず 専門家ら「信じられない…」
BSE危険部位混入

 「(SRMの)取り残しを見逃すなんてひどいと思ったが、(米国 の検査担当官がSRMの除去という輸出ルールを)知らなかったなん て…」。1カ月前に輸入再開に踏み切った農林水産省の幹部はあきれ たように語った。

 BSEの病原体がたまりやすい脳などのSRMの除去と生後20カ 月以下の確認は、日本向けの輸出条件。安全政策の「根幹」を検査官 が知らなかったことは、政府にとっては予想だにしなかった事態とい える。条件順守の徹底がなされていない大きな問題に、米国に対策強 化を求める声が高まっている。「食の安全」を監視してきた消費者問 題研究所の垣田達哉代表も「危険部位の除去は基本中の基本。それす ら認識していなかったのは信じられない」と話す。

 輸入再開を決める内閣府の食品安全委員会の議論でも、検査体制を 不安視する声は強かった。垣田代表は「検査を通った牛肉をさらに検 査する第三者機関が必要。そうしなければ消費者が誰も米国を信用し ない」と言い切る。

 東京都渋谷区のスーパーでは、19日に米国産牛肉の販売を再開し たばかりだったが、今回の事態を受けて20日夜、急遽(きゅうきょ) 店頭から商品を撤去した。担当者は「販売予定の数量は少なく、消費 者も冷静で営業への影響は限定的だろう」としながらも、「販売再開 からたった1日で撤去とは…」とうんざりした様子だ。

 米国では、日本向けと国内向けの食肉処理が同じ施設で行われてお り、今回のような事態が起きる危険性はあった。日本向けに別の処理 施設を確保することは資金面で無理なためだ。それだけにより厳格な 検査が必要だった。

 今回の問題について、全国消費者団体連絡会(神田敏子事務局長) は21日、「日本のリスク管理の責任も大きい。(食肉処理施設の) 査察はすべての日本向け認定施設を調査し、輸出プログラムが本当に 順守できるかどうかの確認が求められる」との文書を、小泉純一郎首 相、中川昭一農水相、川崎二郎厚労相あてに送った。
【2006/01/22 東京朝刊から】
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『米任せ』の安全 崩壊 米牛肉再び禁輸

 米国産牛肉の輸入が、当面、再び全面停止される事態となった。成 田空港に到着した米国産牛肉から二十日、牛海綿状脳症(BSE)の 病原体がたまりやすい特定危険部位である脊柱(せきちゅう)が見つ かったためだ。輸入再開からわずか一カ月。消費者の米国産牛肉への 不信は極度に高まりそうだ。不十分な米国の監視体制とともに、安全 性確保を“米国任せ”にして、輸入再開に踏み切った政府の責任問題 も問われそうだ。 (経済部・米国産牛肉問題取材班)

 ■方針を変更
 「米国産牛肉の輸入をを全面停止します」

 二十日夜、中川昭一農林水産相は首相官邸に電話をかけ、小泉純一 郎首相にこう伝えた。首相は「厚生労働大臣とよく協議して対応して ほしい」と指示した。

 この数時間前、記者会見で脊柱の混入を発表した農相は、日米政府 間の合意に従って、輸入停止については混入した牛肉を出荷した加工 工場だけに限定する意向を示していた。しかし、それでは消費者の懸 念はぬぐえないと判断し、方針を大きく変えた。

 その背景には、内閣府の食品安全委員会が昨年十二月にまとめた答 申で「特定危険部位の除去が不十分な場合など、人へのリスクを否定 できない重大な事態となれば、いったん輸入を停止することも必要で ある」と求めたことがある。

 食品安全委のメンバーらは米国の安全管理体制に懸念を表明してお り、脊柱の混入は、この懸念が的中したわけだ。米国に対して強い姿 勢で臨まなければ、日本の食品行政への不信感が再び高まる恐れもあ り、今回の農相の判断につながった。

 食品安全委プリオン専門調査会の金子清俊座長代理は、「国民の信 頼を得るため、日本政府はいい情報も悪い情報も出してほしい。特に、 なぜ輸入再開になったばかりの段階で、こういう基本的な問題が起き てしまうのか、しっかり調べてほしい」と強く要請した。

 ■交歓会一変
 外食業界や小売業は一定量の牛肉を確保し、本格的な販売再開とい う段階だっただけに、出はなをくじかれた格好だ。

 この日の夕方、都内のホテルでは外食業者らでつくる日本フードサ ービス協会の賀詞交歓会が開かれていた。その席に「危険部位混入の 疑い」の一報が入り、場内は驚きの声とともに一変した。その直後、 詰めかける報道陣を前に出席していた吉野家ディー・アンド・シーの 安部修仁社長は足早に会場を後にした。

 一定量の米国産牛肉の確保にめどが立ったとして吉野家は、二月十 一日から牛丼を二年ぶりに期間か時間を限定して復活させる予定だっ たが、「延期か再開か、事実関係を把握した上で考えたい」(広報I R担当)と方針見直しに入った。輸入の全面停止によって、予定量の 牛肉確保が困難となる可能性は高く、方針の変更を迫られそうだ。

 日本フードサービス協会の横川竟(きわむ)会長(すかいらーく最 高顧問)は、「二年ぶりの再開で期待していただけに精神的な打撃が 大きい」と語り、ショックを隠せない様子だが、「米国はもっと日本 の消費者のことを考えて、神経を使ってほしい」と注文を付けた。

 デパートなどで総菜店「RF1」を展開するロック・フィールドは 今月十八日から、米国産ローストビーフサラダの販売を一部で再開し たばかりだ。同日夜、「複数の百貨店から販売を中止したいと連絡が あった」ため、二十一日から百貨店など十カ所での販売を中止する。

 山梨県で食品スーパーを展開するオギノ(甲府市)は二十三日から 米国産牛肉の販売を開始する予定だったが、一報が入った二十日夕、 入荷ストップを即決した。同社広報担当は「こういう状況になったら 販売できない。だいぶ振り回された」とため息交じりに語った。
20060121
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「市場に回った牛肉、追跡調査の予定なし…日本側対応」

 農林水産省は21日も職員が登庁し、情報収集などに追われた。危 険部位が混入した経緯や現地のチェック体制などについて、米国から の報告を待って今後の対応を協議する方針だ。

 米国産牛肉の国内での検疫は、通常の書類中心の検査とは異なり、 コンテナや部位ごとに実際に箱を開けて行っている。コンテナ内のす べての牛肉までは調べないが、同省では「同じ処理施設のラインで生 産された同一の部位なら、一部の肉だけに危険物が混入する確率は極 めて低い」としている。

 昨年の輸入再開以降、国内には約1500トンの米国産牛肉が輸入 されているが、同省は、危険部位がついた肉が検査をすり抜けた可能 性はほとんどないとして、すでに出回っている米国産牛肉を回収した り、追跡調査することは予定していない。
(2006年1月21日14時42分 読売新聞)
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「中川農相:再発防止体制整うまで輸入再開できず」

 中川昭一農相は22日、来日中のゼーリック米国務副長官と会談。 米国から輸入された牛肉に特定危険部位が混入していた問題について 「原因を徹底究明し、二度と起こらないよう対策をとってほしい」と 伝え、再発防止体制が整うまでは輸入再開できないとの考えを示した。

 ゼーリック副長官は「(輸入再開にむけ)2年間やってきたことが 挫折したような気がする」と述べたうえで、再発防止に全力をあげる 姿勢を表明した。

 政府は、米側に提出を求めている原因調査結果と再発防止策の中身 を検討した上で、輸入を再開するかどうか判断する方針だ。23日に 来日する米農務省のペン次官らからも対応の現状について説明を受け る予定。
毎日新聞 2006年1月22日
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「中川農相、改めて改善要請…米農務長官と電話会談」

 米国から輸入した牛肉に、除去が義務づけられている脊柱(せきち ゅう=背骨)が混入していた問題で、中川農相は23日夜、ジョハン ズ米農務長官と電話会談し、改めて原因究明と改善策を求めた。

 会談で、ジョハンズ長官から、これまでの経緯の説明を受けた中川 農相は「今回の問題は非常に残念だし、怒りも覚えている」と応じた。 同長官は今回の経緯をまとめた報告書の提出のめどについて「最善を 尽くしてできるだけ早くする」と善処を約束したという。

 会談は米国側が申し入れて実現した。

 この問題では、23日にペン米農務次官も来日。24日に外務、農 水、厚労3省の担当局長と日米局長級会合を開き、今回の経緯を日本 側に説明する。
(2006年1月23日23時26分 読売新聞)



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